ペットの餌を買いに定期的に下車する駅の商店街の花屋さんに、菜の花の苗が並んでいました。
電車の窓から菜の花畑が広がる光景を眺めることも、コロナ禍ではかないそうにありません。
せめて子供に実物を見せたいと思い、買い求めました。
玄関の植木鉢に植え替えようーーそう思いながら、下駄箱の上に置いて数日。
水やりもしていましたが、気づいたらしおれ気味です。
やがて、花のついた茎が、重さに耐えきれないのか折れ曲がってしまいました。
もっと早く、植え替えればよかった。
悔やみつつも、最近子供が自分の部屋のように整え始めた二階に、苗を持って上がることにしました。
南向きの部屋は、お天気次第では暖房いらずというほどで、暖かい日差しの差し込む窓辺もあるためです。
子供は窓際に菜の花を置いて、水やりなど世話をしていたようです。
それでも、買ったときに開いていた花がしおれ、このまま枯れてしまうのではないか、と不安でした。緑色だった葉っぱのいくつかは、色が抜けてクリーム色に変わってきて、近いうちに落ちるであろうことも明らかでした。
数日後、何の気なしに菜の花を見て、驚きました。
なんと、新しい花が三本の茎に咲いているのです。
もう少し下に、新たな花芽も出ています。
あんなに弱ってしまったとはいえ、しっかりよみがえろうとしていたのでした。
不利な環境やよくない条件に見舞われたとしても、こうやって花を開く菜の花。
精いっぱい開いた黄色い花びらは、冬からずっと落ちたままの私たちの目に、鮮やかに映るのでした。