この夏に我が家でお世話していたカブトムシの女の子が今夜、生涯を終えました。
幼虫のころからお世話して、夏に向かって気温が上がっていくころにサナギになり、トップバッターとして羽化したかわいい子です。
3匹のうち唯一のメスで、最も活発で、脱出を企てて何度もケースで飛び、勢いよく動き回る子でした。
夏の間、毎日昆虫ゼリーを与えるときも、他のオス2匹が1個食べるところ、彼女は2個のペースで、しかも残すことなくペロリと平らげるのです。
あの食欲こそが、元気さの源ではないかと思ったものでした。
羽化後に初めて地上に姿を見せた翌日の朝、夫が「飼育ケースの蓋が開いていた」と知らせてくれました。
どんな力と技を使ったものか、蓋にあるスライドからではなく、蓋そのものを持ち上げて本体から外し、すき間から逃げたのです。
まだ餌も与えておらず、どこへ行ったのやら、皆目見当がつきません。室内にいるのか、早くも屋外に出てしまったのかも〜
途方に暮れていたら、まさかのところで、見つけたのでした。
家の中に飛び出して周りを見回し、おそらく木の幹に見えたのでしょう。
室内にあった子供のペンケースにしがみつく姿を夫が見つけて、無事発見できたのでした。
実は幼虫のころから、やたらと外に出たがる、活発な動きを見せる子でした。
とても意思がはっきりしていて、夜になるとガサゴソと動き出し、人のいる側に姿を見せてはアピールしていたものです。
ぼんやりしている昼間の様子とは全く異なる、いろんな顔を見せてくれました。
9月に入って気温が急に下がり、珍しく2日ほど地上に姿を見せないことがありました。
久々に出てきたときはホッとしました。が、その頃からバサバサと音を立てて飛ぶことは減っていたようです。ゼリーを与える頻度も少しずつ落ちていました。
そうは言っても、指に乗せるとギュッとしがみついて、離すのが大変なほど力を入れていました。木の枝と思ったのか、指を吸いながら歩いていたほどです。
ゼリーをあまり食べなくなり、かわりにバナナを与えたら、一目散に駆け寄って、顔中バナナだらけになって食べていました。
寒いだろうと体にクヌギの葉をかけておいたら、くぐり抜けてバナナに顔をうずめていたほどです。
今朝見たときは、土の奥にもぐっているようでした。
カブトムシは通常、日中は土の中で休み、夜になると地上に出てきて活動しますが、弱ってくると、昼夜問わず地上で過ごすようになります。
元気な頃はびっくりするほど土を掘り起こしては、地表の傾斜を大きく変えるほどでした。モグラが掘ったトンネルのようなものを見ることもあったくらいです。
よかった、まだ土に潜る元気があるんだ、と少しホッとしました。
午後に子供が帰宅し、早速見に行ったら弱々しくなっているとのこと。
バナナを与えて様子を見るなど、介抱とお世話に明け暮れていました。
夜には新しいバナナを与えました。
ところが、もう少しは生きてくれるかな、との期待もむなしく、夜に息を引き取りました。
6本の足の跗節(ふせつ)も揃ったまま、とても綺麗な姿でした。そのまま標本になるほど美しい形で亡くなったのです。
下の子は一番可愛がっていたカブトムシの死を目の当たりにし、顔をくしゃくしゃにして泣きました。
もう二度と、カブトムシは飼いたくない、というほど悲しい別れになりました。
それでも、たくさんお世話したこと、いっぱい話しかけたこと、スマホで画像や動画を残したこと、思い出は今も残っています。
3日前に他界した小さなオスの子と一緒に、お墓を作る予定です。
人間界はコロナウイルスで大混乱に陥るなか、無事サナギになり、成虫になり、そして約3ヶ月にわたり元気に過ごしてくれたカブトムシ。
感謝の言葉しかありません。
天国でも、元気にダンスを続けてね。ありがとう。