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日々是呼吸


日本人は思いやりがあるのか。シューマッハ氏の病状へのコメントに思う

ネットニュースで流れていた、F1レーサー、シューマッハ氏の容体をめぐる記事を読み、考えさせられました。


詳しく記憶していませんでしたが、シューマッハ氏は休暇中のスキー事故で重傷を負い、以来数年にわたり、公の場に姿を現していません。

記事の要旨はリンク先をご覧いただくとして、現地の専門医(担当医ではない)が、彼は植物状態であり復帰は難しい、とコメントしたとのことでした。

興味を持ったのは記事についたコメントでした。
大半の書き込みが「家族のことを思うと、そっとしておくべき」または「回復を期待している」といった内容で、記事中の専門医の見解や取材した側に対して批判的な見方です。

うーむ。

ここ数カ月のネット上で見られた動きといえば、木村花さんの自殺の引き金とも言われた誹謗中傷でしょう。
F1に関心のある方々はいわゆるツイ民ほか一般ユーザとは異なり、思いやりと気遣いにあふれているだけなのかもしれません。
同じ日本で見かけた匿名コメントとすら思えない、悪意のなさが特徴的です。

そんななかで、ひとつのコメントに目がとまりました。
それは元記事を読んだとおっしゃる方によるもので、この専門医はシューマッハ氏と似たような容体の患者の家族たちから「シューマッハ氏のような治療を受けたい」と要望を受けたのに対し、コメントを出すに至った、といった内容でした。
もしそうだとするなら、話は全く異なってきます。

それを除いたとしても、人様の病状を取り沙汰するのは不謹慎と考える日本人に対し、このドイツ語圏の人々は全く違う価値観なのではないか、と感じています。
具体的には、うれしくない事実を突きつけることへの態度の違いです。

家族が無事の回復を祈ろうが、延命を望もうが、不都合な真実を語らないでいること自体を不誠実だと感じているのではないか。
根拠を問わず余計な期待を持たせるのではなく、現実に目を向けさせることの重要性が尊重されている。
よってたかって、気休めのような「きっと良くなる」などとコメントすることは無責任とみなしているのではないか。

そう考えると、日本人による「励まし」や「応援」コメントは、果たして本当に誠実だといえるでしょうか。

コメントを書き込んだ人々は、重篤な状態にある人の命や健康をめぐるネガティヴ情報をたしなめ、好転を祈ることで、自らは善行を働いたと疑いすら持たないはずです。

それはちがうのではないか。

日本人の間であれば、良きふるまいと解釈される可能性もあります。
しかし、当人も発言者も、元記事の報道先も、日本ではありません。全く異なる価値観と文化の元でなされた一連の出来事を、日本人の価値観だけで判断すると、見誤りかねません。

もちろん、日本人の読者は日本語で読んだ海外記事に好きな感想を抱く自由があります。
が、自分のものさしで決めつけて、善人気分になるのは戒めたいところです。




by cocue-cocue | 2020-09-19 15:26 | こころと思い | Comments(0)

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