先日、母が自らの不調にどんな治療を施しても、よくならないと言い続ける話をUPしました。
偶然にも、評論家の内田樹氏が週末の新聞のインタビューで関連するコメントをされていたので、概要を紹介します。
歯科医に聞いた話として、世の中には「入れ歯が合う人」と「合わない人」がいるとのこと。
前者はすぐにあうが、後者は何度直しても合わないというまま。
両者を分けるものは何か?というと、口蓋の形ではなく、「歯がないという現実を涼しく受け入れているかどうか」だという。
いつまでも合わないという人は、自分の自然な状態のみが快適だと見なし、そこから少しでもずれると合わないと感じる~そんな趣旨でした。
合気道の武道家でもある内田氏は、師から武道家の心構えとして、涼しく受け入れることを学んだようです。
私はこの「感覚的な寛容性」こそが、母に欠落しているものだと思い知らされたのです。
だからこそ、絨毯や壁の小さなシミが気になって何十分でも一ヶ所を掃除するのに、タンスというタンスや、棚という棚に積み上げたがらくたの箱は、全く片付けようとしない。
自分の気になることだけことさら問題を大きく受け止めて、客観的に見てより危険で見た目もよくない状態を放置する。
彼女は入れ歯ではありませんが、自前の歯より違和感があっても、歯がないままよりは良しとする、そういう感覚を持ってくれていれば、白内障や腕の腫瘍の手術も、眼鏡も、実は使用前よりずっと改善した状態を作ってくれているのではないかと思います。
俯瞰する力や、寛容になること。
感謝の心。
せめて自分は、忘れないように心がけたい、そんな思いを得ました。
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