頂き物のボディクリームを二個、処分しました。
使おうと開封したものの、手触りだったり香りだったり、しっくりこなくて、なかなか手をつけないままでした。
戦争を知る世代の親に育てられると、使えるものは捨てない、使い終わるまでは処分しない、そんな価値観が染み着いてしまいます。
使いたくないから減らない、だからいつまでも置いたまま〜そういう品物は、根雪のように居座り続けて、場所ふさぎになるばかりか、本当に使うものを手に入れる機会も永遠にやってきません。
本当に必要なのは、日々快適に使うもの。
目の前のモノに気を取られて、大事なことを見失うほど、時間は有り余っていません。
以前読んだエッセイで、筆者は「つまらない映画や芝居は、開始後15分で途中退席する」と綴っていました。
ニューヨークに暮らすと、それはたくさんのステージやプログラムが連日連夜見られるため、つまらない出し物に付き合う時間が惜しいとのこと。
読んだ頃の私は、入場料ももったいない、そう感じましたが、今となっては筆者の気持ちがよくわかります。
チケットを買った時点で、もうお金は払ったわけだし、と考えることもできます。
ようやく私も、一口でハズレだと思い知った飲み物やお菓子を、ためらいなく捨てられるようになりました。
ここまで来るのに、親元を離れてから実に15年以上かかりました。
物理的に使いきることを目指さなくても良い。断捨離から学んだ、大切な教えです。