部屋を移動しながら、どうも目障りなものがある。
レジ袋や紙袋といった、袋物。まとめ買いするともれなくついてくる外箱など、いわゆる入れ物類だ。
ナイロンやビニールの袋だと、ごみ出しに使えるし。
未使用だと、衣類の収納にも活用できそう。
そこまでは普通だと思うが、紙おむつが入っていた外袋や、パンの袋まで、畳んで保管しておくことはないだろう…
段ボールの類いは、端から解体して、古紙回収に出してしまうが、厄介なのが贈答品の化粧箱。
作りもしっかりしていて、デザインがよかったら、保管用に使えるし、そう思うと無下にはできない。
しかし…
入れ物はサイズまちまち、素材もバラバラで、取っておくのは本当に不便だ。
きれいな状態で、かつ取り出しやすくスタンバイさせようと思うと、本当に手間が必要になり、しかも美しくはならない。
いったい、何のため保存しているのだろう?
気が付いた。
これは、私の母の行動様式なのだ。
穴が開いていない、中身を入れられるものは、捨てない。いつか使えるから。
そういえば、余りにも多すぎて入れ物を処分したよ、と報告して、とても不愉快そうに「要らないのなら捨てなさい」と、すぐに心にもない台詞だとわかる口調で母に返されたのは、一度や二度ではすまない。
でも都心の狭い住まいでは、箱一杯、紙袋数袋分も、レジ袋を保管するのはナンセンス。
ごみ出しに使うペースでは、とても使い終わる日など来そうにない。
かくして、週末に二袋の袋物を処分した。
まだまだたくさんあふれている。
もっともっと、減らそう。もったいなくなんかない、入れ物にかかる手間暇こそがもったいないのだ。