日々是呼吸


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優しい毒(香りの記憶)

 いろんな香りに目移りしながらも、自分の定番が欲しいと思って、20代の頃に愛用していたのが、この香りです。

優しい毒という名前は、一世を風靡し派生したあの香水の妹版だから、とも言えそうですが。
優しいのに、毒、という魅惑的な名前の通り、いつまでも深呼吸を続けていたいくらいにお気に入りの香りでした。

他の香りとは異なり、私にとっては特定の出来事や場面に結び付くものではありません。
あの時代から変わらない自分の何かを思い出す、そんな香りです。

緑色の曲線のボトルは、私にはりんごのような果実をかたどったように見えました。
禁断の、ではありませんが、何かこう、華やかなだけとまで言い切れない、妖しげにして離れがたい香りです。

まだ見ぬ誰かにとって、私もそんな存在でありたい。愛用していた頃の私は、そんな期待をもこめていたかも知れません。

*****

残念ながら廃盤になってしまったとのこと。
時代が変わったということなのでしょうか。
当時この香りを愛用した世代が、今なお使い続けてもらっては困るなにかがあるのかもしれません。

またいつか、帰ってきてほしい、思い出深い香りです。

ディオール TENDRE POISON


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by cocue-cocue | 2014-08-13 08:05 | お気に入り | Comments(0)


奇跡、ホントにスゴい!(香りの記憶)

恋に落ちるとき、人はなぜ、いつも初めてのように、ドキドキするのでしょう。

なぜ、恋に落ちたきっかけを、振り返って何度も確認しようとするのでしょう。

****

本当に幼い頃、年月が流れてから、再び同じ人に恋心を抱いたことがありました。

どこか現実離れしていたはずですが、あのドキドキが再来し、切ないくらいに胸いっぱいになりました。

幼すぎて、気持ちの伝え方も、あふれる思いの持っていきようも、お互いにまだ、よく分かっていなかったのでしょう。

沈丁花の香りのごとく、辺り一面に広がっていたのに、気がつけば、もうその短い季節は過ぎ去っていた、そんな思いでした。

****

その人と初めて出会ったのは、10年あまり前でした。
仲間の一人、でしたので、皆で何度も食事に出かけたものの、二人きりで話したことも、その活動で一緒になったこともありませんでした。

社交的な人でしたが、私は決して親しくはならず、知り合いというよりは「知っている人」の一人に過ぎず、街ですれ違っても会釈するかしないか、その程度でした。

***

わりと短い期間で、私はその活動から離れました。
その人は数年間、他国で過ごしたものの同じ活動を続けていました。

一度だけ、私の新しい分野での活動のため、その人に助言を求めて国際電話をかけています。
親しくもなかった私の電話は迷惑かなと思いつつ、事務的や応対よりは親切に、丁寧に教えてもらうことができました。

***

私の所属するチームの新メンバーのリストに、その人の名前を見つけたとき。

まさか、こんな日がやってくるだなんて、誰が想像できたでしょうか。

悪い人では決してないけれど、自分のペースで周りを巻き込む彼は、苦手とまでは言わずとも、肩の力を抜いて接するには、私にはちょっと荷が重い相手でしたから。

***

一緒に取り組んだプロジェクトのため、交わしたことばとメールはどのくらいになるでしょう。

突発的な出来事に振り回され、壊されかけたチームとプロジェクト。
戦う彼の姿を見ているうちに生まれた連帯感がやがて、昼に夜に、平日に限らず週末も、やりとりする仲になっていくのは、偶然の結末か、はたまた必須だったのか。

プロジェクトのため遠方に出かけて、二人で2日間過ごすことになったのは、チームのもう一人が体調を理由に離脱したのがきっかけでした。

***

こんなとき、普通は、どうするのでしょう?

プロジェクトの時間が過ぎれば、あっさり別行動なのか、少しは一緒にいて、常識的な時間でお開きなのか。

ガンガン飲んだり、歌ったりして遊ぶのか。
その場かぎりと割りきって一夜を共に過ごすのか。

私たちが選んだのは、いずれでもありませんでした。

話して、話して、話して。
とにかく、話しました。

話しても話しても、尽きません。
話題の前に体力がつきて、お開きにしたのは外も明るくなった頃。
                  
追い出すこともしなければ、踏み越えることもなく。
軽く引き留められながら、時には絡まれたりして、明け方まで過ごしたのでした。

***

何か特別なことが起きたわけでも決してないのに、私たちは、もはやチームの仲間以上の間柄だと思います。
何かの一線を越えてしまった。そんな相手になったのです。

***

どうしても、奇跡が起きてほしい。

そんな出来事がふりかかってきました。

いつか笑って振り返ることができるかもしれない。

そんな日が来ることを祈って、二人のパートナーシップが長く続くことを願って。
この香りは私の気分を明るくし、寛がせ、前を向いて歩むことをさりげなく指南し、そしていつもそばで見守ってくれています。

まるで、その人のように。

ランコム
ミ・ラ・ク ソーマジック!
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by cocue-cocue | 2014-08-10 05:30 | お気に入り | Comments(0)


肌触り(香りの記憶)

 人は生まれてから、愛を注がれる絶対的な時間が必要なのだと思います。

惜しみなく愛を注がれ、受けとる。持って生まれてきた小瓶を、愛でいっぱい満たさないと、人は生きていけないし、他の誰かに愛を注ぐこともできない。

子供が生まれて実感したことでした。

そして、私の小瓶は、決してあふれたことなどなかったということも。

***

ひとことで言えば、私はいつも、危なっかしい足どりで歩んでいたようです。

その道を歩くなら、これも必要、あれもあると便利。それは持っていかないほうが良いよ、役立つどころか「お荷物」だからね。

そういって、指南してもらうことがありました。

***

どこかの時点で、気がつかなくてはならないのでしょう。

なぜ、ここまで親切に手を貸してくれるのか。
私に何を期待しているのか。 

どんな見返りを求めてくるのか。

あふれるばかりの愛を注がれたことのない人間は、我に返ることなどできないのです。
まだまだ小瓶は空気のほうが多いくらいで、いくらでも受けとる余地があるのですから。

***

当時の私がたまらなくひかれていた香りは、二種類ありました。

何となく男性と共有できそうな、ウッディーな香り。
もうひとつは、ベビーパウダーをはたいたときのような、鼻の奥をくすぐるような、粉っぽい香りでした。

この香りを見つけて、リクエストしたのは私からだったような記憶があります。

どことなく、なつかしい母親の鏡台周りの香りと、男性的なエッセンスの組み合わせは、私が本能的に、親からもらい損ねた動物的な愛を埋め合わせたかったから選んだのだ、今ならそう分かります。

親からたくさん抱きしめてもらえていたならば。

私にはこの香りは必要なかったことでしょう。

もちろん、リクエストすることもなければ、贈られることすらも。

****

二人の子供たちは、今も抱っこをせがみます。
もうすぐ学校に上がる方の子供は、身体も大きくなり、抱き上げるのはもう私には無理です。

でも、あきらめさせるのではなくて、できる限り抱きしめてあげたい。手をつなぎたい。
たくさんたくさん、この柔らかい肌を触って、安心を与えたい。

そうすれば子供たちは、TOUCHと名付けられた香りを、改めて渇望しなくてもやっていけるのだから。

バーバリー タッチフォーウーマン
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by cocue-cocue | 2014-08-09 09:00 | お気に入り | Comments(0)


詩 (香りの記憶)

「みんな」が良いというものに無邪気に飛び付けない、そんな自分に気が付いたのは、ずいぶん幼い頃でした。

テレビのアニメとか、流行のオモチャ、キャラクター付きの文房具。
そういうのものを素敵とか可愛いとか思うのは「良くないこと」だから、欲しがったりしてはいけない、物心ついたときにはもう、そう信じていました。

健気な、親の娘をずっとやってきたのです。

*****

その香りがデビューしたとき、トップノートからラストまで、香りが変わらない、というメッセージ、コントラストのあるテーマカラーが鮮烈な印象を放っていました。

働き始めて、初めての夏が近付いていたその頃。
春先の淡い思いを上回る、そんな視線を注がれたのはいつが最初だったのか。
おだやかで、はにかんだ、でもほんの少しだけ切ない、そんな親愛の情でした。

***

近づいてはならないはずなのに、気がつけばそばにいて、待っている。

考えすぎ、気にしすぎ。
偶然が重なっただけ。

何度もそう思って、自分に思い込ませようとして、気づかなかったふりをしたあの頃。

この香りがこっくりと広がるかのような夏の終わりのあの暑い日、ごまかしきれなくなった、ちょうどその瞬間に。

まさか、あり得ない、そんな思いをはっきり伝えられたのでした。

****

仮に私が、その香りと同じブランドの代名詞ともいえるこちらの香りを選んでいたなら。

私はもしかしたら、全く違うシナリオを呼び寄せていたことでしょう。

お妃に内定されたあの方ご愛用と言われていた、その大人気の香りを、何の躊躇もなく手に取り「私の香り」と言い切れるような、無邪気な人々に連なることができたなら。

****

名香と呼ばれながら、この香りはもう、廃番になったと知りました。

ずっと使い続けていたのに、止めてしまったのは、私なりの物語が重なって、そして重ならなくなったからだと思います。

ボトルのデザインは線がすっきり、それでいて柔らかい手触りでした。

手放すことをためらったものの、もう私のそばには置場所が見当たらない。
そう気が付いたとき、ボトルを紙箱に収め、部屋から出す荷物にまとめることができました。

****

あの香りに街で出会っても、私はおそらく、気が付かないことでしょう。
でもその名前を目にするとき、船を臨む桟橋での夏の終わりの夕暮れと、あのまなざしが、一瞬だけ浮かび、そして砕け散っていくのです。

ランコム Poeme
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by cocue-cocue | 2014-08-09 07:30 | お気に入り | Comments(0)


美しい (香りの記憶)

 就職して東京に来たばかりの私の日曜日は、一言でいうなら「有り余る時間に、途方にくれる」ひとこまでした。

同期や同僚を除き、友達もわずか、土地勘はほぼ皆無です。
借り上げの住まいから電車に揺られて、ターミナル駅で下車、近くの百貨店を探検したものでした。

その香りに出会ったのは確か、新宿のとある百貨店だったと記憶しています。
甘い、でもほんの少しだけスパイシーなその香りは、しっかり重くもありますが、とても女らしい印象でした。

名前も直球ど真ん中。ヨーロッパで暮らした私は、アメリカのわかりやすいシンプルさより、複雑なニュアンスのある欧州系の品のほうが、肌に合うのです。
それなのに、この香りにたまらなく惹き付けられたのでした。

*****
振り返ってみれば、わかります。
あの頃の私が、自分に足りないであろうと無意識に気が付き、補ったものが何なのかを。
このクラシックな女らしさに吸い寄せられた私の目が、何に奪われていたのかも。

何も気がつかないまま、ただその香りを身につけ、朝早くから仕事に出掛けたものでした。

この香りはもう、私の手元にはありません。
早々と使いきり、そのままになりました。

何年か後に、東南アジアでこの香りのボディーローションを買い求めました。

懐かしくて、つい手にとったものの、結局ほとんど使うことなく、先日処分したところです。

今も香り自体は好みなのですが、あのときの思いと共に、私の身の回りからは縁遠い存在となってしまったのでした。

beautiful
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by cocue-cocue | 2014-08-06 21:17 | お気に入り | Comments(0)


禁断の花園(香りの記憶)

 思えばその香りを買ったときは、就職活動で東京に来た記念のつもり、でした。

思いの外、早めに面接が終わり、そのまま帰宅するのがほんの少し心残りで。
周遊券だったこともあり、少し街を散歩してから、帰途に着くことにしたのです。

山手線に乗り、降り立ったのは御徒町。アメ横を目指しました。渋谷や銀座のような都会なら、梅田や三ノ宮と大きく変わらない。そう思って選んだのです。

ぶらぶら歩きながら、ふと目に留まったのはこの香りのピンクのパッケージでした。
折しも雑誌広告で、よく見掛けた香りでした。

試してみて、気に入ったのでしょう。きっと東京に面接に来るのは、これが最後かなと思って、思いきってお土産として買い求めたのです。

*****

その年、私はいったい、何度東京と地元を往復したことでしょう。
面接に複数回呼ばれただけでなく、東京に就職することを決めました。
ちなみに、この香りを買ったときの面接先で、私は働いています。

暑かったあの日、紺のテイラースーツ姿の私はなぜ、この香りを選んだのだろう。
あくのない、あっさり爽やかで、微かに甘い香り。
どんな未来を予感して、手にしたのだろう。

*****

大きめなボトルだったので、今なお私の手元にあります。
パッケージのベビーピンクも、色褪せたはず。香りも相当、変わってしまったと思います。
でもそこには、見果てぬ未来を前にした一人の学生だった私が、振り返って見つめるんじゃないか。
そんな空気を今もまとっています。

フルールダンテルディ
ジバンシィ
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by cocue-cocue | 2014-08-06 00:25 | お気に入り | Comments(0)


香りの記憶

香りを身にまとうようになったのは、仕事のために東京に来たことがきっかけでした。
おりしも大学時代はまだバブルの残り香があり、ボディコンやらワンレン、ソバージュなんてお姉さま達を目の当たりした、その次の世代でしたので、実は周りは、とっくに目覚めていたのかもしれませんが。

振り返ると親の家にいた頃は、虫が着きようもない生活を死守した(笑)母親の監視下にありましたから、香水の類いには手を出せませんでした。そこまで
色気付いたと思われてはならなかったのですね。
いいこちゃんだったわけです。当時は自覚皆無でしたが。

*****

二度の出産を経て、香りを楽しむ機会はボディーローションが限度でした。
ここへきて、身辺に変動もあり、ふと香りに手を伸ばしています。

香りと結び付いた記憶を、振り返っていきたいなあと考えているところです。

ちなみに……

今回手にしたのは、こちら
どうしてもマジックが起きてほしくて、願掛けの思いもこめて、身に付けています。

miracle so magic!
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by cocue-cocue | 2014-08-03 09:05 | お気に入り | Comments(0)


ずっと変わらないでいることにとらわれる~20年来、鼓膜が破れたまま?の親父の難聴を検証する

父親は声が大きく、怒鳴っているか怒っているか、そんな口の聞き方しかしません。

ひとつには耳が遠いから、と言われていました。
自分の声が聞こえにくいから、つい声が大きくなる、というのは、高齢者にみられる傾向のひとつです。

まだ私がとても幼かった頃、空き家になっていたかつての我が家の庭の草取り中、父親の耳の中で、突然ザーッと音がしたそうです。
すすきか何かの草が耳に入って、鼓膜が破けたのだと言いました。

それから何年たっても、父親は不要な大音量で話すことをやめません。
人の話も、まったく聞いていません。

「鼓膜が破れているから、聞こえへんねん(関西弁)」

世の中の関西出身の方を敵に回す覚悟で書きます。
私は関西人ですが、男性の関西弁を聞くと虫酸が走ります。
父親の下品で不快な語り口を思い出してしまうからです。

******

話がそれました。

大声をやめない父親は、大音響でテレビを見ます。
他の部屋にいても、ドアや窓を締め切っても、響きます。
やかましいです。

にもかかわらず、そばで鳴る電話には出ようとしません。

まずは、ベルが聞こえない。父親の座る定位置が、もっとも電話に近く、数歩でたどり着く場所なのに、です。

うっかりベルが聞こえようものなら「電話が鳴ってるで、電話や電話、はよう(早く)でなあかん」と騒ぎだします。

お前のその大声がやかましいんじゃボケ、当時そう言えたなら、どんなにスッキリしたことでしょう。

電話に出たら出たで、まともに応対はできません。

「誰かしゃべっとるわ」って、当たり前じゃ、誰がしゃべってるか聞いてくれよ、そう言い返してスカッとしたかったものです。

******

手元でテレビの音声を聞けるスピーカーも買い与えました。

補聴器ぐらいつけたらどうだ?とも促しました。

文字通り「聞く耳を持ちません」。

「鼓膜が破れているから、しゃあないねん、聞こえへんのは」と繰り返すばかりです。

******

何がきっかけか忘れましたが、母親が親父を耳鼻科の診察に連れていくことに成功しました。
長年の懸案でした。
私が学校に上がる前にはもう鼓膜が破れていて、耳鼻科に足を運んだのはついこの間でしたから。

診察室で、持論を展開したそうです。
「鼓膜が破れてますから、よく聞こえませんねん(関西弁)」

耳鼻科医の回答は。
「鼓膜はきれいですよ。だいたい、破れたままにはならないんですよ、鼓膜という組織は。破れたとしても、とっくの昔に、治っていますから」

ほら、見てみろ!!
20年以上、破れた鼓膜を理由にしてることがおかしいって、素人でも分かっていたのです。

結局、こういうことなのです。

親父は、鼓膜が破れたら、ずっと「鼓膜が破れ続けている人」でいることに執着したのです。

心屋仁之助さんのいうところの、DoではなくBeを選んでいるんですね。

だから、子供の頃に疎開先(しかも縁故疎開)で親族にいじめられたことをずっと根に持つ親父ですが、話を聞かされた身としては「かわいそうかもしれないけれど、もううんざり。しつこくしつこく聞かされて、いやーな気分にされて、もはや同情なんてできない、むしろムカつく。いったい何十年前の話やねん、それ…」としか思えないネタにしかなりませんでした。

そしてガンを発症し、今は立派な「ガン患者」として、「もう、長くは持たへんかも知れん」と「死ぬ死ぬ詐欺」を繰り返し、早四年になろうとしています。

病気になっても、病人にはなるな。
心屋先生はそう、書かれていました。

親父は、病気になって、喜んで病人の座に居座ることを選んで、全うしています。

身をもって、愚かさを見せつけるというのが、あの人の使命かも知れませんね。


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by cocue-cocue | 2014-02-06 00:00 | 親への違和感 | Comments(0)


新年のご挨拶に代えて~私が作るお雑煮

2014年が皆様にとって、かけがえのない一年でありますように、お祈りいたします。


お正月なので、備忘録がわりに私が作るお雑煮を紹介します。

そのお雑煮は、母方の実家の流儀です。
この家は、15代続いたとある家元でもあり、関西なので京風のお雑煮の流れを汲んでいます。

(母は結婚したとき、父の家のお雑煮やお節の風習を訊ねたそうです。父の実家はお正月はお餅を焼いて食べているだけに過ぎず、何も採り入れるものがなかった、と聞きました)

白味噌仕立て、丸餅を焼かずに入れます。
お出汁は昆布と鰹でとります。
具材は…雑煮大根(細い品種)、ごぼう、里芋、焼き豆腐です。

手に入らない材料は、代わりのもので補います。
例えば大根。普通のものしか私は使っていません。
最近は手に入れやすくなりましたが、少し前までは焼き豆腐もあまり見かけなかったので、木綿のお豆腐を使っていました。

***

たまたま夫が買ってきた「きょうの料理」のテキストで、京風のお雑煮が掲載されていました。

削り鰹をトッピングしないのと、具材の種類が少な目(テキストの京風のお雑煮は、ごぼうと焼き豆腐が入らなかったと記憶しています)であることを除くと、かなり似ているといえそうでした。

そうです、私が作るのは、白いお雑煮なのです。


初めてこのお雑煮を作ったとき、夫の感想は「甘い」でした。
予想外の反応にすっかり驚いたものです。

確かに白味噌のねっとりした風味は、塩気のきいたお味噌の味とは異なりますが、甘いという言葉と結びつけたことはありませんでした。
意外感を覚えたものです。

そんな夫の家のお雑煮は、というと、義母の創作雑煮だそうで、おそらくすまし仕立て、三つ葉が入り、イクラをトッピングするそうです。

生のイクラを熱いお汁に載せたら、煮えてしまうのでは?と不思議に思えます。
はい、その実物を見たことがないからなんですが。

我が家のこどもたちも、お雑煮を美味しいといって味わってくれました。
自分が幼い頃、お雑煮を美味しいと思えたかどうか、あまり自信はありませんので、ありがたいことだと思います。

個人的には、お雑煮をお正月だけのものに留めておくのは惜しい気がしてなりません。

普通に、お味噌汁の代わりに食卓に並べても良いかな?と感じるのですが。邪道でしょうか?


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by cocue-cocue | 2014-01-05 00:35 | 口福レシピ | Comments(2)


素直であること、の強さ

「これいいよ そう言われてやってみる素直な人には いつもいいことやってくるよね」


心屋仁之助さんのブログで見かけました。

私がお世話になった方も、ご自身を効き目が出やすいタイプと位置付けておられて、その理由は「素直だから」「良いと言われたことは、とことん取り組むから」とおっしゃっていました。

素直であること、それは強さの証だと感じます。

*****

母親は、習い事が大好きな人でした。

今から思えば、好奇心があっただけではなく、わからんちんの夫(私から見たら父親)や、その親戚を取り巻くあれこれなどから、彼女は逃避したくてたまらなかったからだ、とわかります。

しかしながら、「なにかひとつを極めるのは嫌だ」と主張、次から次へと洋裁・手芸分野に手を広げていました。

そんな母親の持論が「必ずしも、言われた通りに従う必要はない」でした。

*****

確かに、盲目に従属する必要もないかもしれません。

しかし、母親は常に、自分にあったやり方と称して、よく言えば創意工夫を、けなすなら自己流の解釈で物事を取り入れるため、いわゆる「効き目が出ない人」に陥っていました。

頑固と言えば、それだけかもしれません。
あのクソ親父の言うことはいちい真に受けるのに、娘の助言も専門家の言葉もまともに聞き入れません。

*****

今さら、親を変えようなんてさらさら思いません。
だけど、もたれかかってきて欲しくないし、なるべく関わりたくないんです。
なぜなら、親が凝り固まったままの間に、私は変わったからです。

*****

「騙されたと思って、やってみて」
そう言われたとき、軽いフットワークで試してみようと思える私でありたい。

娘のことを「頭でっかち」「口先女」だの「本ばっかり読んで、実質が伴わない」と散々けなしておきながら、(以前ブログにもアップしましたが)10年以上前から「やるやる」詐欺で習おうとしないカリグラフィなど、腰が重い母親(そしてテレビの前で座り込んで文字どおり大仏みたいに固まったままのクソ親父)。
彼らと一線を画して生きていく爽快さを、味わう昨今です。


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by cocue-cocue | 2013-12-29 00:30 | こころと思い | Comments(2)

    

出して、取り入れて。ものや知恵と出会い、手放す毎日。
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