日々是呼吸


カテゴリ:実家の風景( 2 )



損したくない彼女の、確かに損はしなかった話

 父方の親戚は商売を営んでいたからか、損得勘定に非常にうるさく、また細かい人々ばかりでした。

 彼らがあれだけ執着していた家業でもある商売を今、誰一人受け継いでおらず、つまり存続できていない現実をみる限り、その価値観はビジネスの成功に全く寄与しなかったと思いつつ。

 そんな一族の、ひとりの女性の物語。



 父方の祖父の長男の次女でもある彼女は、父親を交通事故で亡くしました。仕事で移動中の事故でした。
 労災が下りたのか、保険金が支払われたのか、私には分かりません。間違いなく言えることは、わがくそ親父は保険が嫌いで何一つ加入せず、JAFすら入らなかったくらいですから、あの家系のこと…押してしるべし、でしょうか。

 顛末はしりませんが、まだ10代だったのに、私の母をずいぶん罵ったと聞いています。
時が流れ、大手企業に勤める相手と結婚話がまとまり~~その時、すでに母も亡くしていた彼女の親代わりを勤めたのは、親族で唯一、かたい勤め人だった私の父夫妻、つまり私の両親でした。

 結婚後は絵に書いたような順風満帆な日々で~~郊外に庭付き戸建てを設け、一男一女に恵まれ、夫の海外転勤が決まりました。

 ちょうど私が独り暮らしを始めることになっており、もしよかったら、転勤の間、家電を譲ってもらえないか、と母が頼んだところ。

 回答はnoでした。
 使い慣れた家電で、帰国後も使いたいから、そんな理由だったように記憶しています。確か5年間の駐在予定でした。それでも手放したくないと。
 残念なことに一応身内なので、はっきり書いても問題ないと理解して書きますが、子供時代に貧困に苦しんだ人間ならではの物への執着だったのでしょう。

~~~~
 それから10年過ぎたかどうか。

 母が知り合った人が、偶然にも件の彼女の旦那の勤務先のOBとわかりました。大きな企業なので分からないかも、と思いつつ、少し珍しい苗字だったので話題に持ち出したところ。
 返ってきたのは「あいつ、離婚したやろ?」の言葉でした。

 結婚の際に親代わりをつとめたはずの母は寝耳に水。

 子供の進学のために旦那を残して先に帰国したところ、現地の女とできてしまって、離婚した、との解説だったそうです。

 今はどこでどうしているのやら、誰も知りませんが。
 確かに、あのとき私に譲らずに後生大事に抱え込んでいた家電は、彼女の「新生活」におおいに役立ったはず。少なくとも、買い揃えなくて済み、余計な出費は避けられたわけで。
 損したくなかった彼女は、損しなくて、済んだんですね。

 えっ、もっと大きなものを失ったじゃないかって?
 それはいってはいけませんよ。彼女が重視していたのは「損得」ですから。願ったとおり、損はしなかったんです。 

 損しないことを最優先にすると、確かに損をしなくて済む人生を送れるんですね。

 それでも、損したくないですか?



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by cocue-cocue | 2015-10-11 13:27 | 実家の風景 | Comments(0)


実家の風景

20代前半まで、親元から学校に通っていました。

両親はともに隣の市出身。結婚後、約三年で今の家を建てて以来、ずっと同じところに暮らしています。

物心がついてから、就職するまで、一年を除いて実家暮らしでした。


雑誌のインテリア特集を見ると、「こんな家では実際に暮らせないわよ」という母は、いつもこんな風に口走っていました。

「自宅は楽屋なんだから。」
「家にいるときぐらい、寛げないと。」

そんな我が家は、どの部屋もやたらと物が多く、ごちゃごちゃうるさい風景でした。

グラビアに出てくるような、おしゃれで片付いていて、明るい住まいに憧れていました。


社会に出てから、いろんな方のお宅を訪ねました。
たまたま、でしょうか。
どの家も、実家に比べて片付いていて、居心地が良さそうなのです。

そういえば、初めて独り暮らしをしたとき、入居したばかりのワンルームの部屋が、何だか実家に似ているのが、不思議でした。


結婚し、子どもが生まれて、家族の暮らしを考えるようになり、どうにもこうにも、理想とはかけ離れた我が家に、ため息が出ていました。

断捨離を知り、住まいを直視して、分かったのです。
私には、あの家を作り上げた両親の行動様式が、染み着いていることを。

最後に帰省したのは、いつでしょうか。
もしかしたら、四年以上は足を運んでいません。

子どもを連れ帰ったこともありません。家族で帰省どころか、里帰り出産もしませんでした。

親はさらに年老いて、ますます荒れているかもしれません。
記憶に残るあの家のふうけいを振り返ることで、私の住まいに新たな光が差す予感がします。

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by cocue-cocue | 2011-09-04 11:54 | 実家の風景 | Comments(0)

    

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