日々是呼吸


肌触り(香りの記憶)

 人は生まれてから、愛を注がれる絶対的な時間が必要なのだと思います。

惜しみなく愛を注がれ、受けとる。持って生まれてきた小瓶を、愛でいっぱい満たさないと、人は生きていけないし、他の誰かに愛を注ぐこともできない。

子供が生まれて実感したことでした。

そして、私の小瓶は、決してあふれたことなどなかったということも。

***

ひとことで言えば、私はいつも、危なっかしい足どりで歩んでいたようです。

その道を歩くなら、これも必要、あれもあると便利。それは持っていかないほうが良いよ、役立つどころか「お荷物」だからね。

そういって、指南してもらうことがありました。

***

どこかの時点で、気がつかなくてはならないのでしょう。

なぜ、ここまで親切に手を貸してくれるのか。
私に何を期待しているのか。 

どんな見返りを求めてくるのか。

あふれるばかりの愛を注がれたことのない人間は、我に返ることなどできないのです。
まだまだ小瓶は空気のほうが多いくらいで、いくらでも受けとる余地があるのですから。

***

当時の私がたまらなくひかれていた香りは、二種類ありました。

何となく男性と共有できそうな、ウッディーな香り。
もうひとつは、ベビーパウダーをはたいたときのような、鼻の奥をくすぐるような、粉っぽい香りでした。

この香りを見つけて、リクエストしたのは私からだったような記憶があります。

どことなく、なつかしい母親の鏡台周りの香りと、男性的なエッセンスの組み合わせは、私が本能的に、親からもらい損ねた動物的な愛を埋め合わせたかったから選んだのだ、今ならそう分かります。

親からたくさん抱きしめてもらえていたならば。

私にはこの香りは必要なかったことでしょう。

もちろん、リクエストすることもなければ、贈られることすらも。

****

二人の子供たちは、今も抱っこをせがみます。
もうすぐ学校に上がる方の子供は、身体も大きくなり、抱き上げるのはもう私には無理です。

でも、あきらめさせるのではなくて、できる限り抱きしめてあげたい。手をつなぎたい。
たくさんたくさん、この柔らかい肌を触って、安心を与えたい。

そうすれば子供たちは、TOUCHと名付けられた香りを、改めて渇望しなくてもやっていけるのだから。

バーバリー タッチフォーウーマン
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by cocue-cocue | 2014-08-09 09:00 | お気に入り | Comments(0)

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