光野桃さんのエッセイに、イタリア在住のころのエピソードが紹介されています。
現地で知り合ったお友達に、クローゼットを見てもらって、光野さんらしいアイテムやコーディネートのアドバイスをもらう場面です。
あるアイテムを手にし、イタリア人のそのお友達はこう言います。
「このテイストはあなたにぴったりよ、うらやましいわ」
光野さんは答えます。
「あら、あなたも試してみればいいじゃない」
しかし、お友達は首を横に振るのです。
「私のイメージには、似合わないから」
光野さんは、イタリア女性のその厳しさ、潔さにハッとした、そんな感想を綴られていました。
流行りだから、持っていないから、セールでお買い得だったから、似合う人がうらやましいから、そんな理由で安易に服を手に入れていても、おしゃれには近付かない。
エッセイを読みながら、わかったつもりでいました。
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今回ファッション診断を受けてみて、私自身、頭でわかっていただけで、実のところ腑に落ちてなかったことに気付いたのです。
出産後ママ生活に突入、働いていた頃と着るものががらりと変わったとき、迷いこんだのです。
乳児の世話に追われて、自分の身なりを構う余裕がなくなる、というのもありますが、自分の立場で何を着るのが良いか、わからなくなったのです。
毎日が日曜日、とまでは言わずとも、出勤がONで帰宅後がOFFであれば、連日OFFという暮らしにあった服装の見当がつきません。
乳幼児の子どもがいる女性を対象にした雑誌を、待合室などで手にしても、どれもこれもぴんとこない。
着たいとも思わないし、似合いそうにない。
ファッション診断の結果を見れば、私がそう感じたのは大正解でした。
いわゆる幼児のいる主婦を対象にした雑誌が取り上げるような服は、全く似合わないテイストやデザインばかりだから、と今ならわかります
でも、当時は気が付かなかったのです。
母親らしく、提案されているような着こなしを身に付けなくては、勝手にそんな型に自分をはめようとしていました。
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骨格から分析したところ、私にはカジュアルな格好はさっぱり似合わないのです。
にもかかわらず、公園遊びにはデニムにチェックのシャツ…といった具合に、決め込んでいたのです。
借り物を身に付けたような格好で、気分もいまいちしっくりこない。
居心地良くない時間を過ごしてしまっていました。もったいないです。
自分らしさというのは、生かしてこそ。
もう、無謀な着こなしには挑まない。
しみじみ、感じたのでした。
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