日々是呼吸


親の揚げ足は「拾うな」~実家の暗黙の憲法

すべての関西人がそうだとは思えないのですが、私の両親は単語の読み方や発音に、やや鈍感なきらいがあったように感じます。

小学校低学年の頃、日記の宿題で「おばあちゃんが、びょういんでしゅうつしました」と書いた私。
父がいつも「しゅうつ」と言っていたので、まさか手術「しゅじゅつ」だとは思わなかったのです。

父の口癖のひとつ「ききゅう」は、文章のはじめによく登場しました。
「結局」だったと、後ほどしりました。

核家族で一人娘だったので、家で耳にするのは両親の会話のみです。テレビもあまり、見せてもらえませんでした。一世を風靡したピンクレディも、一曲も歌えない幼稚園児でした。

家で見聞きしたことを学校で口にして、からかわれたり。子供は残酷なまでも正直ですから、当時はそれなりに辛い時間を過ごしたものです。

しかし我が家では、過ちを指摘することはタブーとされていました。
前のエントリで書いた通り、正しいことを訴えるのはあれほど推奨されていたのに、です。
「揚げ足を拾うな」と、しばしば叱責されたのでした。

*このエントリを書くに当たって調べたら、正確には挙げ足は「取る」ものなんですね。今日まで知りませんでした。こんなところも、親の言葉への鈍さがあらわれていて、またひとつ、親から言われたことを訂正するはめになりました。


言葉遣いに限りません。
父が味噌汁やコーヒーをズルズル音を立てて飲んでも、履き物を揃えず脱ぎ散らかしていても、トイレに新聞を持ち込んで読んでも、やめさせるどころか、指摘することすらも許されなかったのです。

それらの行動は、子供である私は全面的に禁止されていたのに、そして母は一連の行動に強い不満を抱いていたのに、です。

「お父さんがしていないのに、なぜ私はしなくてはならないの?」疑問を抱くのは当然の成り行きでした。

「お父さんはもう大人だから、直せないの」母はそう答えていました。
父本人も「三つ子の魂、百まで」と繰り返し、「親に教えてもらってないことはできへん(関西弁、できないの意)」の一点張りでした。

私が中学生になった頃から、食卓が険悪な場になりました。
例によって独善的な、かつ偏見に満ちた見解を父が披露し、私が反論する。
男尊女卑の思想が染み付いていて「もっともできのわるい男性でも、もっとも有能な女性よりは優れている」という考えの持ち主だった父を、女子校に進んで自立と自律を学んだばかりの私が黙って許すはずなどありません。
そのうち母は、父と私の夕食の時間帯をずらすようにしました。

あるとき母がつぶやいたのです。
「お母さんが思っていても我慢していることを、あなたがそのまま、お父さんに言うから」と。
「あなたは辛抱が足りないのよ」とも、聞きあきるほど言われました。

親に生意気な口を叩いていた私ですが、社会に出て、父に教わったとおりのことをして叱られたり、恥をかいたり、とにかく恥しい思いを重ねました。

どうして母は、父の間違いをたださないまでも、せめてたしなめるくらいのことをしなかったのか。

半分冗談まじりとはいえ、母と私の会話で最大級の侮辱フレーズは「お父さんに、そっくり!!」というくらい、父の非常識さは明白な事実だったのですが。

面と向かって誤りを指摘できない唯一の相手が親。
実家の暗黙のルールのお陰で、「我が家の常識は世間の非常識」の壁にぶつかり、まだもがいている、そんな実感があります。

*補足

あるブロガーの方から、私の父について「パーソナリティ障害」のキーワードを受け取り、手に取った本でまず目に止まったのは「強迫神経症」の単語でした。

母が自他ともに認める強迫神経症で、例をひとつあげると、ことあるごとに手を洗わないと気がすまないので、洗いすぎで手が荒れて皮膚がむけてしまうくらいでした。

こういうのもパーソナリティ障害なんだ…
素直に驚きました。
母の日常的なふるまいのあれもこれも、こうやって分類されるのか。

次回に続きます。


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by cocue-cocue | 2012-10-18 15:45 | 親への違和感 | Comments(2)
Commented by ココリン at 2012-10-18 16:28 x
懐かしい言葉が!「しゅうつ」‥‥私も
そう言っていました^^; 親がそう言っていたので。
あと7時をしちじ、でなく、ひちじと言っていたので、
オトナになって付き合った人から指摘をされました。
私は兄がいますが年が離れていたので、
ほとんど一人っ子状態でした。

cocue-cocueさんのお母さま、じっと耐えてらしたのですかね。
うちも母が父の横暴さに耐えていたので、
少し近しいしいものを感じます。
どうも親の世代のせいか、女は耐える、辛抱するものという
感じのようでなりません。

言葉だけでなく暮らし方、習慣など
親の影響大だなあとつくづく感じます。
親が反面教師ということが少なからずあります。

Commented by cocue-cocue at 2012-10-24 16:01
ココリンさま、

ひちじとしちじ、分かりますよ~
関西弁は決して嫌いではないのですが、不正確なのはやはり困りますよね…

女は男の横暴に耐えるべし、といった価値観は、残念ながら今の日本にもまだ残りがちですが、私たちの親の世代は当たり前だったのでしょうね。
わが親の場合は、対外的には正しいことにこだわるのに、自分達の誤りは一転認めないし、指摘すらさせない、というのが、私としては不適切な家庭環境のひとつでは?と言わざるを得ない、というのが今の気持ちだったりします。
親の責任、影響力は巨大ですよね。

コメントありがとうございました♪

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