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日々是呼吸


好みは強い。

 人は自ら選んだものを、時間が経ってからも良いと思うものなんですね。

 ある日、義父がスーツに素敵なネクタイを合わせていました。デザインがさわやかで、若々しいなあ…と思いつつ、ほめるのもなんだか気恥ずかしくて、特にコメントしないでいました。

 と、義父が一言。
「このネクタイ、君らにもらったんだよ」

 ???
 そういえば…結婚式の少し後に改めて夫の実家を二人で訪問し、贈り物をしたことを思い出しました。
あのときにお渡ししたネクタイだったのね、うっかり「素敵ですね」なんていわなくて、本当に良かったです。

****

 夫が持っていた食器の一つに、大きなカレー皿がありました。

 私の母は我が家の台所に立つたび、
「このお皿、大きすぎて使い勝手が良くないし、場所ばっかりとって、嫌ね」といつも文句を言っていたものです。

 実際、一枚しかなかったので、ひどくかさばるわけでもありませんでしたが、逆に一人分しか使えないという欠点もあり、食器棚の引き出しの一番下にしまっていました。
出し入れも不便で、ほとんど使うことはなかったのです。

 第2子の産後に手伝いに来てくれた義母が、手製のミートソーススパゲティを作ってくれたとき。
 あらびっくり、カレー皿に盛り付けられているではありませんか。

 手前には10枚以上、パスタに使うようなサイズのお皿が複数の種類あったにもかかわらず、です。義母はわざわざ、引き出しの底から発掘したのです。上にあった10数枚のお皿を取り出すという手間まで惜しまずに。

 ああ、このお皿は、夫が実家を出て一人暮らししたときに、義母が持たせたものだったのね。一枚しかない理由も、やたらとサイズが大きいのも、謎が解けました。(夫は食いしん坊)。

 選んだときから、年単位で時は流れているというのに、人はやはり、自分が選んだもののどこかに好みを見出すものなのね。自覚なく「素敵」と言いそうになってしまって、改めて根強い好みの存在感を思い知らされたのでした。
 
 



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by cocue-cocue | 2012-06-15 11:55 | お気に入り | Comments(8)
Commented by 葉桜 at 2012-06-15 13:56 x
子供のころに母に押し付けられたことへの反発から、私は柄物が嫌い、なんです。
ついでに言うと、いわゆる「女の子の色」も嫌い。
赤とかピンク、とかですね......
だから、というわけではないですが、私がものを選ぶと、白とか、青とか、自然素材系とか(プラスチックも苦手なので)になっています.....
これも一種の好み、かな、と思います。
Commented by cocue-cocue at 2012-06-15 14:59
葉桜様、
好みの反動が出る、というのは、心当たりがあります。実母が葉桜さんと同じく、女の子色が苦手なようで
、赤ちゃん時代の私の服は水色か黄色ばかり。
ここからがヒドいのですが、理由を聞くと「ボテッと太っていて、ピンクや赤が似合わなかったから」ですって(>_<)肥満体の男性と結婚したのは母でしょ(残念ながら赤ちゃん時代、父親似だったのです)
私自身はピンクや赤は似合わないと刷り込まれたので敬遠しますが、女の子には多少は与えても…と思っています。葉桜さんと逆に、非女の子色を押し付けられたからです。
またお立ち寄り下さいませ♪
Commented by Manami at 2012-06-15 18:55 x
こんにちは。
なんだか素敵なお話ですね♪
cocue-cocueさんが「素敵ですね♪」言ってしまっても
ご家族で大笑いになると想像ができ、それはそれで楽しそうです。
Commented by ecru at 2012-06-15 23:41 x
女の子色、私も苦手です。
同じく、子どもの頃、女の子は女の子色…みたいな親の好みに対する反動です。
自分で服を買えるようになってからは、モノトーンか、差し色で青系。
自分でも地味な趣味だとは思うのですが、黒が一番落ち着く色なのです。
女の子色の服は、一枚も持っていません…。
それにしても、お義母さま、その大きなカレー皿を見つけられた時は、
嬉しく思われたんじゃないでしょうか~。
自分が持たせたお皿を今もとっておいてくれる…という思いも、おありだったのでは、と思います。
Commented by ココリン at 2012-06-16 22:04 x
好みは強い・・とても興味深く読ませていただきました。
お義母様がダンナ様に持たせたであろうお皿。
そういうものなんだなーとつくづく思いました。
時として好みは変わる時はあっても、
根本はそう変わることはないのでしょうね。


Commented by cocue-cocue at 2012-06-17 21:28
Manamiさま、
コメントありがとうございます。クスッと笑うしかないですよねf(^_^;
それにしても、自分達で選んでおいて、しかも贈って忘れているというのもどうなのかと…ボケボケでもあります。
Commented by cocue-cocue at 2012-06-17 21:34
ecru様、
女の子色、ご自身では選ばれないのですね。
この色とジェンダーの関係、案外侮れないなあと感じます。
子どもの頃は親が選ぶものを身に付けますから、特に反動は出やすいのかなと思いました。

お皿は…もしかしたら夫の実家には、同じものが何枚かあるのかも知れません。ちなみに私は、そのお皿は皿うどん、ちゃんぽんにぴったりだと思っています。カレー皿なのに、パスタを盛り付ける人もいれば、長崎の麺類の場合も…不思議なお皿?だったりします。
Commented by cocue-cocue at 2012-06-17 21:41
ココリン様、
使い勝手が良いと思っているからこそ、義母が夫に持たせたのだとも思いますが、やはり好みの原点は大きくは変わらないものなのね…と感じます。
ココリンさんのブログで、食器のお話をよく拝読しますが、日々手にとって使うものだけに、馴染むかどうか、かなり大きなポイントになりますよね。数多ある器やお皿から、本当に愛着を持てるひとつに出会うのは、容易ではありませんし、だからこそ個人の好みが前面に出るような気がします。

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