日々是呼吸


支援物資 こめられた思いと、受け手

少し前のやましたひでこさんのオフィシャルブログで、仙台で開催したセミナーに参加した、いただいた支援物資を手放せなくて悩んでいる被災者の方のエピソードが出ていました。

いつか「寄付」をテーマに書きたいと思っていたエントリを、この機会に書いてみるとします。ちょっと、長いです。

まだ私が子どもの頃に、どこかで耳にしたか、読んだかした、お話です。

恵まれない子どもたちが暮らす施設がありました。
施設の財政には余裕がなくて、子どもたちはお絵かきの際、画用紙ではなく、新聞の折込チラシで片面印刷のもの(当時は「裏白(うらじろ)」と呼ばれ、取っておいてメモ用紙に使う人も多かった)を使っている。

そんな投書が、ある新聞に掲載されました。

掲載後、その施設には、全国各地から、たくさんの届け物があったそうです。
中身はどれも、新聞の「裏白」チラシ。
ぜひ子どもたちに使ってもらってください、そんなメッセージが添えられていました。

この話、どう思いますか?

エピソードを紹介した人は問いかけてきました。


子どもたちが使えないでいるのは、画用紙。でも届いたのは、裏白。
これって、本当に善意ですか?


施設は、裏白チラシが山積みになって、大変困ったといいます。

子どもたちに物を送りたいなら、選ぶのは画用紙ではありませんか?

******

この話を聞いて感銘を受けた私は、早速自宅で母に話しました。
母は次のように答えました。

「裏白チラシならどの家にでも余っているから、使ってもらえるなら、と思って送っているのよ。わざわざ画用紙を買って送ってほしいなんて、あつかましいんじゃないの?」

当時の私が、なんとなくさびしい気持ちになったのを今でも覚えています。
今の私は、自分の親の心を思うと、恥ずかしいなあと思います。

だって、たかが画用紙ですよ。数百円でもきれいなものが買えるのに。そのお金を使うのは、嫌なんですか?
にもかかわらず、人に物を送って気分良くなりたいってこと?


阪神大震災の教訓を受けて、東日本大震災では義捐金を中心に寄付を募るようになりました。

でも…日本人の心のどこかに、私の母や、当初に出てきた施設に「裏白」を送りつけて「善行を働いた」と自負している人々のような思い、まだまだまぎれていませんか?

やましたひでこさんのセミナーに参加した被災者の方は、支援物資をもらっておきながら、手離して良いんだろうか、そんな不安にさいなまれていたようです。いただいたものの質や内容云々の話ではなかったと思います。

寄付や支援という、なんとなく上から下へ、持つものから持たざるものへ、無償で物が動くとき、送り主は意識的でも無意識でも、立場をてこに、相手に感謝させることを強いがちになります。
そのときに、自分の要らないものを押し付けてはいないか。

お片づけブームが広がって、持ち物を手離す際の後ろめたさを正当化するために、または自分の手で捨てたくないために、一定の比率で出てくる「寄付」という言葉を見るといつも、私は「裏白」の話を思い出すのです。

郵便屋さんがくるたび、チラシの束が次々と施設に届く。

包みを開けるたびに、あたかも「あんたたちのところの子どものお絵かきには、この程度のチラシで十分よ」と繰り返し言い聞かされている気分にならなかっただろうか。

画用紙が買えなくて、裏白を選ばざるを得なかった状況より、よっぽど屈辱的な思いを味わっていなかったか。

切なくなってしまうのは、私だけでしょうか。

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by cocue-cocue | 2011-11-29 12:00 | こころと思い | Comments(4)
Commented by anemome at 2011-11-29 18:43 x
こんにちは。
やましたさんのブログにコメントしたのは私です(支援物資送る側)。
皆さんのおっしゃること、わかります。でも、本当にぎりぎりの状態の被災者の皆さんへ、善意で送った方もたくさんいます。
どなたの言うこともほんと。

でも、いらんもんを送るのどうよ っていう『突っ込みやすい』構図で今回のたくさんの支援も色塗られるのはどうもなぁと思ったんです。
わかっています。やましたさんの翌日の記事も、触れてくれましたし。
私が思いきって書いたのは、やましたさんという、今とっても影響力のある方のブログだったので、あえて書きました。
こうして、cocue-cocueさんのブログにも触れられていて、やはり影響力あるんだなと思った次第です。
Commented by 渡辺美恵子 at 2011-11-30 13:04 x
こんにちは。
おっしゃることに同感です。
私も支援物資を何度か送りましたが、本当に迷いました。受け取った方を二重に傷つけることにならないような品物であるかどうか。
人にモノを差し上げるのはとても難しいです。
Commented by cocue-cocue at 2011-12-01 14:47
a*nemoneさん、コメントありがとうございます。

なんと、あのブログにコメントされたご本人だったとは!驚きでした。

私自身、阪神大震災で被災しているので、本当に困ったときに必要なモノのありがたさは、よく分かるんです。

このテーマ、その後さらに思ったことがあるので、改めてまた取り上げます。
Commented by cocue-cocue at 2011-12-01 14:50
渡辺美恵子様、

お立ち寄りいただきまして、かつコメントも頂戴いたしまして、ありがとうございます。

拝見し「顔が見える相手への支援」と「見えない相手への支援」というキーワードが浮かびました。

anemoneさまへのお返事にも書きましたが、いただいたコメントをうけて、さらに思ったことがありますので、別エントリを近くUPしますね。

引き続きよろしくお願いいたします。

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