カリスマバイヤーの呼び名が高い藤巻幸夫さんの新刊に、「半径3メートル以内にネタがある」という趣旨の、映画監督の宮崎駿さんコメントが出ていた。
新刊のテーマは街歩き。街からいろんな情報を得るためのヒントがたくさん紹介されていた。
特別なところに出掛けない限り、流行やトレンド、時代の空気や最新の商品といった情報が得られるわけではない。
藤巻さんオススメの情報源として「駅ビル」や女性誌が挙がっていたくらいだ。
とはいえ、漫然と眺めているだけでは、素人の暇つぶしの域は出ないだろう。
日常の風景をいかに意識的に見るか、そして分析したり感じたりするかが決め手になりそうだ。
活字中毒のきらいのある私はつい、情報収集に躍起になり、活用したり仕事や日々の生活に応用するのは後回しになりがち。
でも得たヒントをうまく料理して、目の前に起きていることに取り組んでこそ、前進できるのだろう。
毎日があまり楽しくないと感じる時、つい新たな突破口を求めたくなる。本当はいつもより念を入れて、毎日を地道に過ごすことが現状打破への近道なのだ。
不遇を嘆いたり、周りの無理解をうらんだりしていたころの自分にも、そっと肩を叩いて知らせてあげたい。