日々是呼吸


あるスーパーの閉店

家から一番近い食品スーパーの前を通ると、「12月22日で閉店します」という張り紙が目に留まった。

地下鉄駅前の商店街の真ん中にあるそのスーパーは、通りの向かいに「昔は青果店だったのね」と思わせる、古い外装の店(現在はバックヤード)の時代からのお店だ。

私が暮らす街は都心に近いが決して都会ではなく、最寄り駅には駅ビルがないばかりか、駅前にスーパーもクリーニング店もない。
坂道を少し上って、地下鉄駅近くのその商店街に行くか、大通りを15分くらい歩いていかないと、食材を買えないのだ。

そのスーパーは、配達もしていた。ご高齢の住人が多い我々の住まいの前に、よくワゴン車が止まっているのを目にした。

冬の日だったか、まだねんねの赤ちゃんだった子どもを乗せたベビーカーを担いで、家の前の11段の階段をいつものように上がっていた。
しばらくしてスーパーの前を通りかかったとき、年配の男性店員に声をかけられた。
「あのマンション、階段大変でしょ?」

私が昇降している様子を、配達の車からご覧になっていたようだ。

「お客様がいらっしゃるから、長年配達に行っているんだけれど、あの階段は本当にきついよね。一度工事が入っていたから、スロープができるのかと思ったら、手すりと滑り止めがついただけだったんだよね。僕は大家さんを知っているから、スロープをつけられないかって、何度か話してみたんだけれど。住んでいる人だと、言いづらいでしょ?」

さらにおっしゃった。

「赤ちゃんがいると買い物大変でしょ?配達するから、いつでも言ってね」

大手スーパーが相次ぎ参入する宅配とは違う、「御用聞き」時代からの配達がそこにはあった。

子育てに慣れてきて、ベビーカーに白菜丸ごと一個と牛乳と卵を積んで歩けるようになった私は、配達をお願いすることはなかった。

そのスーパーのレジに「当面配達はお休みします」というチラシがあったときも、「おじさん、体調でも崩されたかしら?」と心配しつつ、そのままになっていた。

今年の夏ごろからは、毎週日曜日の朝市の特売に夫と子どもが出かけるようになり、「お使いスタンプカード」をもらってきていた。

新聞にスーパーのチラシがあまり入らなくなり、日曜日の朝市も不定期開催なのか、「普通の売り場だったよ」と帰宅した夫が話していたのはいつのことか。

そして閉店だ。

平日は21時まで営業していたので、商店街を通るときは、職場に復帰してからも買い物ができるという安心感があった。でも、時々しか立ち寄らなかったな。

これからは、別の地下鉄駅近くの高級スーパーしか頼れないのかな。
従業員がたくさんいらっしゃったけれど、これからどうされるのかしら。

2年10ヶ月だったが、思い出いっぱいのスーパー。これまでありがとう。
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by cocue-cocue | 2010-12-10 23:00 | こころと思い | Comments(0)

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