実家のご近所さんから母経由で頂いたのは、十年ほど前だったろうか。
手のひらに収まるほどの、SONYのラジオ。確か、ご主人の入院中に便利だったから、という理由で、選んで下さったものだ。何かのお礼だっただろうか。
外国語をかじるのが趣味の私は、ラジオの語学講座を聞くこともあった。
時々の興味や、番組改編のたびに放送の時間が変わり、必ずしも自宅で聞けるとは限らなかった。
お昼休み時間帯の放送だと聞きやすいと思って、通勤バッグに入れていた。
ところが、イヤホンを片耳にさして歩くのは、かなりカッコ悪い。どうしても競馬場のおじさんたちみたいに思えてならない。
仕方なく外で使うのはあきらめた。
夜中にコッソリラジオ深夜便を聞いたり、細々と使っていたが…
ある日気付いたら、スイッチが入らなくなった。
電池を替えても、一向に動かない。
修理したら使えるはず。そう信じて、保管してきた。
でも…
修理費を数千円かけて、まだ使いたいだろうか。
修理費に上乗せしたら、最新の機種を買えるのではないか。
頂いて大切に使ってきたけれど、直しながら長く使うような品物とはちょっと違う。
折しもipodが欲しいと考えていたところ。同じ理由で、旧型携帯カセットプレイヤーを処分したではないか。
お役目は果たしてくれたのでは。
これまでありがとう。そういって送った。
購入価格1万円を超えていたと考えると、手放せなかった小型家電。使えなくなったとあきらめがついたら、案外手放しやすかった。
むしろ手強いのは、価格にかかわらず、機能が明確でない(壊れたなどとハッキリ判断できない)物の処分かもしれない。